関東一円を治め、五代100年の歴史において一度として内紛を起こさず、民から愛されし一族。
今川・武田・上杉という有力戦国大名を相手に引けを取らぬ戦上手で名を馳せ、豊臣秀吉を相手に最後まで抵抗を続けた戦国最後の大名。
本来であれば戦国最強に名が上がってもおかしくない存在でありながら、歴史の敗者として地味な存在になってしまっている北条氏。
そんな北条五代の凄さが4コマ漫画でわかる書籍を手に入れたでござる!
その名も『北条太平記』!!
NHKドラマ『真田丸』の戦国軍事考証を担当した、西股総生先生率いるナワバリスト(城郭研究家・縄張り)集団「TEAMナワバリング」による1冊の漫画にござる。
初代・伊勢新九郎(早雲庵宗瑞)に始まり、二代・氏綱、三代・氏康、四代・氏政、五代・氏直に至るまでの北条五代の歩みを、個性的でコミカルなキャラクターと展開により、ざっくりと紹介しているでござる。
また、漫画の合間には西股先生による最新の研究に基づいた解説ページが挟まっているのだが、非常に嚙み砕かれた内容になっていて読みやすい。
親しみやすい4コマ漫画で歴史の輪郭を掴み、しっかりとした解説ページで当時の時勢や北条氏の素晴らしさが理解できる良書にござる。
この1冊が世に広まれば、今一つ地味な印象が強い北條氏がいかに優れ、民衆に愛される存在であったかが理解されると思われる。
ぜひ、御一読いただきたく存じまする。
……ちょっぴりではござるが、風魔忍者も登場していたでござる。
残念ながら風魔小太郎は登場しなかったでござるがな!!
太平記は…戦乱の世から天下泰平の世へ移行する意味があると類推されます。
その観点から思うに北条五代の物語を太平記とした意味がよくわかりません。
かわ 様
コメントありがとうございまする。
拙者は著者でな無いので、タイトルに太平記とつけた真意はわかりかねまするが……。
拙者が数冊読んだ北條氏に関する書物の記述からも、北條氏は当時の戦国大名の中でも仁政によって国を治めているでござる。
また、天下泰平とまでの思いは無くとも、自国及び関東を戦乱から泰平へと導きたいとの思いは感じられたでござる。
それゆえに北條五代による関東平定の戦記……太平記と名付けたのではないかと想像するでござる。