風魔小太郎 -実在した最強忍者-

風魔小太郎

卍風魔小太郎とは卍

風魔小太郎は、戦国最強の忍者『風魔』の頭領が代々名乗る由緒ある名称でござる。
風魔は戦国時代に小田原を拠点とした関東の覇者たる北條家に代々仕えた戦闘能力の高い忍び衆でござる。

代々その名が受け継がれて来た風魔小太郎の中でも最強と言われているのが、五代目の風魔小太郎でござる。
北條氏綱・氏康・氏政・氏直と北條4代に渡り仕えたとされ、多くの作品に登場する風魔小太郎のモチーフとなっている存在でござる。
多くの場合『風魔小太郎』と言えば五代目のことだと思っていれば間違いないでござる。

卍五代目 風魔小太郎卍

風魔や風魔小太郎の名が出てくる書物は驚くほどに少ない。
しかし、北條家の遺臣である三浦浄心によって残された書物『北条五代記』に風魔の頭目の姿が描かれている。

その姿は、身長2m16cmで筋骨隆々の大男で、身体のいたるところにむら瘤があり、眼は吊り上がり、髭を伸ばした口は広く裂けて四本の牙が生え、その頭は福禄寿のように長く、鼻は高く突き出し、高く声を出せば五キロ以上届き、低く出せば、波のように響きわたり不気味であったという。

まさに化け物のような姿として描かれているのでござる。
ただ、書物では風魔の頭領・風魔某として紹介されており、これが本当に小太郎であり、さらに五代目であるという確たる証拠は無いのでござる。
故に、この姿は風魔小太郎の恐ろしさを世に伝える、また本当の風魔小太郎の姿を隠すための嘘ではないかと思う次第でござる。
とはいえ、これが風魔小太郎のキャラクター像のベースとなっていることに間違いないので、一説として信じておくと多くの作品がより楽しめるでござる。

卍風魔小太郎の能力考察卍

『北条五代記』に記された風魔小太郎像を元に、最強の忍びの能力について勝手に考察(妄想)するでござる!

まず、2m16cmの長身故に変化や町中での潜伏任務には向かぬものと思われる。
反面、その戦闘能力はずば抜けたものでござろう。
忍び故の身のこなしと鋼のように鍛え抜かれた長身から繰り出される拳は、まさに肉体そのものが最強の武器となり得る。
小柄な者より隠身は不利かも知れぬが、堀や壁の乗り越えは容易かもしれぬし、むしろ野外での威力偵察などは得意かも知れぬ。

恵まれた体躯とバケモノじみた顔は、威圧感も強く相手に恐怖を植え付けるのもたやすい。
戦場で相対すれば、並みの腕と胆力では恐怖に抗うことも難しかろうし、尋問・拷問に耐えるのも難しかろう。

また、その声は風魔の十八番である奇襲戦法の要にもなりえたのではなかろうか。
闇の中の低い声は敵の恐怖心を煽り、高い声は味方を鼓舞し、敵にはより多くの兵と戦っているかのように錯覚させられるであろう。

これらを踏まえ、思うには単独で動く忍びとして万能ではござらぬ。
されど、一党をまとめる頭領であり、集団戦闘も行う風魔の長としてはこれ以上ない存在だったのではないかと思うでござる。
やはり、歴代最強の風魔小太郎に違いないでござる。

卍赤髪・白髪に込められた風魔の魔力卍

話は少し変わり、現代の作品に登場する風魔小太郎の容姿について少し触れるでござる。
『戦国無双』や『戦国BASARA』『Fate/Grand Order』『曇天に笑う』など、いくつかの作品では、風魔小太郎の髪色が赤や白で描かれることがある。

赤というのはとても印象的な色でござるゆえ、キャラクターを立てるという意味でつかわれることも多いとは思うのでござるが、今一つは風魔衆が渡来人であるとう説に由来するのではないかと考えるでござる。
さらに、赤髪は日本人としては極めて珍しい色であり、赤髪は特異な存在であったり鬼や妖の類いをイメージさせるのでは無いかと思う次第でござる。

また、白い髪は特殊な力……高い霊力や異能の存在を表現する際に用いられることが多いでござる。
これは、風魔衆の『魔』の部分にフォーカスをあてた、人にして人ならざる存在をイメージしたものではないかと思うでござる。

卍風魔小太郎の活躍卍

さて、そんな風魔小太郎が指揮する風魔忍者達が活躍した有名な戦いが2つある。

ひとつは二曲輪猪助が活躍し、10倍の兵力を覆して大勝利を収め、毛利元就vs陶晴賢の「厳島の合戦」、織田信長vs今川義元の「桶狭間の合戦」と共に戦国3大奇襲作戦と称される「河越夜戦」。

1546年に関東管領の山内・上杉憲政、扇谷・上杉朝定、古賀公方・足利晴氏らが連合した80,000の軍が北條綱成が3,000で守る河越城を包囲したことから始まるこの戦。
20倍もの大軍勢を相手にした絶望的な戦ではござるが、北條氏康の機略によってこの大軍勢を打破し、勝利を掴むことができた。
この戦の立役者の一人とされるのが、風魔小太郎の命により、敵軍に潜み情報操作と状況報告に励んだ二曲輪猪助でござる。
無論、猪助以外にも何人かの忍びが敵陣に潜み、氏康の奇襲の際には内側から敵に襲い掛かり、戦場を混乱に陥れたものと思われる。

そしてもう一つは、1580年に武田勝頼率いる大軍勢に対して度重なる奇襲を仕掛け、北條本軍と一戦も交わらせずに撤退させた黄瀬川の戦いでござる。

こちらは風魔小太郎率いる200人の風魔忍者達が日夜・天候問わず度々武田の陣を襲い、火を放ち、馬の綱を切り、人質を取り、混乱による同士討ちを誘い……散々に暴れまわり、風魔の名を恐怖と共に世に知らしめた戦でござる。
そのあまりにも激しい奇襲ゆえに「怨めしの 風魔が忍びや、 あら辛の乱波が夜討ちや」と武田軍は詠じてなげいたとのことでござる。

また、風魔の暗躍を阻止するべく、夜討帰りの風魔衆に紛れ、北條陣に向かった武田の兵が10人ほどいたのでござるが、風魔の仲間識別法の一つであり、互いに声を掛け合いながら一斉に立ち座りを繰り返す『立ちすぐり・居すぐり』によって見破られ、ことごとく切り捨てられてしまったのでござる。

 

卍風魔小太郎の最後卍

風魔忍者の影働きもあり関東の覇者となった北條氏であるが、豊臣秀吉の小田原征伐により滅びの時を迎える。

風魔小太郎も配下の風魔忍者と共に敵陣の様子を探り、支城への伝令・伝達に身命を賭し、また幾度となく夜討・奇襲を行ったのではなかろうか。

この頃の風魔小太郎の活動を記した歴史的な書物は、残念ながらまだ見つかっておらぬ。
だが、宮本昌孝先生の小説『風魔』と早乙女貢先生の小説『風魔小太郎―風魔忍法帖』には、両先生に独自の解釈と想像による活躍が記されている。

『風魔』では、攻め寄せる豊臣軍に対して打開の策を練るも、不運にも敵に捕らわれ牢獄に監禁。石垣山城の完成直前になんとか脱出するも、すでに戦況は覆せぬところまで進んでしまう。
それでも徹底抗戦を論ずる氏政を説き伏せるべく、名目上は北條家の主筋にあたる古河公方の足利氏姫を担ぎ出し、降伏のための大義名分を用意し、北條家を完全な滅亡から救うことに成功する。

『風魔小太郎―風魔忍法帖』では、服部半蔵をはじめとする伊賀忍者との暗闘の他、忍城防衛にも加わり、攻め寄せる豊臣軍に甚大な被害を与えた。
その甲斐もあり、一度は本領安堵の痛み分けとして、豊臣軍との交渉に成功する。
しかし、服部半蔵の策によって信を置いていた風魔忍者の一人が篭絡され、安堵状が奪われたことにより、北條と豊臣は再び戦火を交えることとなり、ついには敗北・降伏せざる終えなくなってしまう。

無論、両作品とも時代小説であり、本当に風魔小太郎が活躍したかどうかは歴史の闇に隠されてしまっているでござるが……北條家臣の一員として風魔党は最後まで運命に抗ったと信じているでござる。

しかし、時代の流れは非情なものでござる。
風魔一族が以下に獅子奮迅の働きをしたとしても、戦の大局を覆すことは叶わず、小田原北條氏はついに降伏の時を迎えるのでござる。
四代当主の氏政と弟の氏照の自刃と引き換えに、五代当主の氏直は助命はされたものの、高野山へ追放。北條100年の歴史に幕を引いたのでござる。
高野山へ追放された氏直でござるが、後に秀吉に赦免され1万石の大名として復活し、北條家はその後も存続しているでござる。
それゆえに、家名としての北條家は滅亡はしておらぬが、『関八州を手中に収めた大国としては滅びた』という意味で北條家は滅亡したと言えるでござる。

こうして北條氏が敗れた後の風魔小太郎と風魔忍者たちは、江戸近辺を荒らしまわる盗賊となったと言われているでござる。
主家たる北條が滅びた後も、秀吉に従い小田原を攻め滅ぼした徳川を敵とみなしていたのでござろう。

そんな風魔小太郎達の存在に、徳川家を散々頭を悩ませていたのでござる。
しかし、あるとき風魔党と対立し、徳川方に組する元武田忍者にして盗賊である高坂甚内が風魔の隠れ家を探り当て密告したのでござる。

ついに風魔小太郎は捕らわれ、1603年に風魔小太郎を筆頭とする風魔衆は処刑されてしまったと言われているのでござる。

卍表の顔持つ風魔小太郎卍

さて、風魔小太郎にはもう一つの顔がある。

風魔忍者達は忍者としての活動を行う際に風魔と名乗り、普段は風間と名乗っていた言われている。

そして北條家の家臣には風間出羽守という人物がいるのでござる。

北條氏の数々の書物にも登場する人物で、警備や諜報任務に従事していたと残されているとのことでござる。

残念ながら風間出羽守と風魔小太郎が同一人物という証拠は残されていないらしいでござるが……「諜報」「警備」は忍者の得意とする任務ではござらぬだろうか?
後北条氏の研究者である下山治久先生による『後北条氏家臣団人名辞典』によれば、風間出羽守は忍者として紹介されていることからも、風魔忍者との関りは濃厚ではないかと思う次第でござる。

さらに、付け加えるのであれば、風魔が伊賀や甲賀などの他の忍者集団とは異なる存在とされる所以の一つに、北條家の家臣として仕えていたことでござる。
風魔はただの雇われ忍者ではなく、北條早雲(早雲庵宗瑞)に見出され、召し抱えられたのでござるから、武士階級であっても不思議ではないどころか、忠義の面から考えても得心できるものでござる。

つまり、平時は風間出羽守として表から北條氏の国政を支え、裏では風魔小太郎として影ながら北條氏を守護する。
もし風間出羽守と風魔小太郎が同一人物であれば、北條家を表裏で支える北條家臣屈指の功労者であったのではござらぬだろうか。


北條に忠義を尽くし、最後は盗賊として処刑されてしまった風魔小太郎。

しかし、処刑されたとされる話自体が風魔小太郎が己の存在を歴史から隠すために仕込んだ策略かもしれない。
……もしかすると、その後も名前を変えた風魔小太郎の子孫達が生き残っているかもしれない。

そう思うと浪漫が広まるとは思いませぬか?

 

卍 風魔小太郎登場作品 卍

【ゲーム】
戦国無双・無双OROCHI
傲慢・不遜にして破壊と混沌を好み、突如現れては戦場を掻き乱し、恐怖を植え付けていく混沌の化身。
青みを帯びた肌と赤いドレッドヘアー。風魔忍法による伸びる腕と俊敏な動きで戦場を駆け回る。
戦国BASARA
「伝説の忍び」と呼ばれる凄腕の忍者。非常に無口な傭兵。
俊敏な動きと抜群の跳躍術を武器に二刀の小太刀で獲物を仕留める。
FATE GO(fgo)
小柄な体に赤髪が特徴的。風魔一族の最高傑作と言われながらも、その性格は忍びには不向き。
宝具『不滅の混沌旅団(イモータル・カオス・ブリゲイド)』により200人の風魔忍群の英霊を呼び出し、敵を殲滅する
戦魂 -SENTAMA-
徳川と武田に対するWキラー能力を持つ最強クラスの騎馬忍者。
奥義『風魔騎突・闇討』は風魔忍群と共に敵に突撃し、敵軍を確実に虚弱化させる。
戦国IXA(イクサ)
部隊スキル『忍び衆』を用いた神速の兵法で戦場を縦横無尽にかき回す超速キャラ。
同名の別イラストキャラもおり、その姿は千変万化。
パズル&ドラゴンズ(パズドラ)
体力に優れる悪魔族ユニット、ドロップ変換能力が高くサブリーダーとしての運用に適している。
マシンタイプの敵に対して高い能力を発揮する。
フルボッコヒーローズX
最強クラスの忍者ユニット。5Wayショットで一気に敵を薙ぎ払う。
『究極奥義・風魔手裏剣【乱】』『風魔忍の秘伝』『木忍の神業』など強力なスキルを使用する。
【マンガ・アニメ】
戦国SAGA風魔風神伝
長編時代小説『風魔』を原作とした戦国最強の忍び風魔小太郎の半生を描いた作品。
風を拳で打ち抜き、突風であらゆるものを吹き飛ばす秘儀『うらかん』を使う。
花の慶次
風魔の頭領として豊臣秀吉・石田三成を悩ませ、得意の幻術を使い前田慶次を翻弄した。
赤髪の美丈夫で、その忍術の腕前は服部半蔵さえ驚嘆させた。
SAKON(左近)-戦国風雲録-
小柄な姿の風魔小太郎。甲斐の六郎へ風魔の秘伝を伝授し、その後は島左近に協力する。
不動金縛りの応用業である『風魔不動雷電』は相手に触れることなく命を奪うことができる。
曇天に笑う
10代目風魔小太郎を名乗る双子の忍者。人々に災いを与える大蛇の眷属。
風魔一族の証である白い髪と紫の瞳を持つ優顔の青年。
SAMURAI DEEPER KYO
十二神将が一人「摩虎羅(まこら)」を名乗り、サスケの前に立ちふさがる。
影を自在に操る忍術が得意で、相手を影に取り込む『影堕』、己の身を影と化し、あらゆる攻撃を無効化する最強忍術「影衣・黒影騎」を使用する。
【小説】
風魔
戦国最強の忍び風魔小太郎の半生を描いた宮本昌孝先生のよる長編時代小説。
優れた直感と人を見る目。とても爽やかで優しくも強く、かっこいい風魔小太郎。
風魔小太郎―風魔忍法帖
戦国最強の忍び風魔小太郎の半生を描いた早乙女貢先生のよる長編時代小説。
忍びなれど武士、武士なれど忍び。北條家への忠義に篤く、武士として、忍者としての誇りを持つ風魔小太郎。
【舞台】
風魔伝
五代目風魔小太郎と八代目風魔小太郎が豊臣軍と対峙する戦国ファンタジー。

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